■ 患者アンケートやっていますか
医療機関にも「顧客(患者)志向」が定着してきたことは、誰もが認めるところでしょう。言葉を変えれば医療の中心が医療サイドではなく、医療サービスを受ける患者さんへとシフトしてきています。それに伴って、患者アンケートを実施する医療機関が増えてきました。
患者アンケートを実施するには、その目的を明確にしなければいけません。患者アンケートには、いま来院している患者さんが、自院に満足しているかを調べる「患者満足度調査」と、その患者さんたちが、今後、自院に何を求めるのかを調べる「患者志向調査」があるといわれます。
「患者満足度調査」であれば、質問形式のアンケート用紙を準備する必要があるでしょう。一定の配布期間を設け、アンケート用紙を配布し、回収、分析の中で、患者さんの自院に対する満足度評価を調べていきます。
質問項目は、多くの市販の医院経営書にも出てますので、それを参考にされれば良いと思います。その際、「スタッフ(歯科医師も含む)能力項目」「医院システム項目」「医院設備(医療機器も含む)項目」の3点から、質問項目がバランスよく配置しているか確認すべきでしょう。
「患者満足度調査」は、結果を数値で出せるようにします。そうすることで、医院全体での共有化が可能になります。
「アンケート結果によると、当院での受付の対応は、82%の患者さんが満足している。ただ、待ち時間に対しては、65%の患者さんしか満足していない。」
このように、数字で出すことで現状がわかり、次への目標に繋げることができるのです。
一方、「患者志向調査」は、患者さんの声を集めることが必要です。B6程度のアンケート用紙に、「何かお気づきのことがありましたら、お気軽にお書きください」とだけ記載し、患者さんのナマの声を集める、これも「患者志向調査」のやり方のひとつです。但し、本当にナマの声を集めるには、患者さんに聞くのが一番です。
以前、近隣の人たちに、自院がどんな風に評価されているのか気になるので調べたいという依頼が弊社にありました。もし、このことがわかれば、自院評価を上げる対策を打つことに大いに役立つでしょう。そこで、弊社では患者さんに次のような質問をしてみました。
「●●歯科医院に最初に来院される前、どんなことに悩んでいたのですか?」
「そのとき、●●歯科医院を選ばれた理由は何ですか?」
「他にも多くの歯科医院があります。他の歯科医院を選ぼうとされなかった理由がありますか?」
「実際に、●●歯科医院を来院されていかがでしたか?」
たったこれだけの質問ですが、多くのことを患者さんは語ってくれました。回答内容は明らかにすることはできませんが、この質問により、10人程度の患者さんに聞くことで、地域での自院の“立ち位置”を明確にすることができたのです。
「医療あっての患者」から「患者あっての医療」に変化しつつあります。「当院は、常に患者さんへ顔を向けています」というアピール効果も含め、患者アンケートを実施されることをおすすめします。
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>(*^_^*)b < 編集後記 ♪♪♪
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「うち(当院)に来ている患者さんは、院長に診てもらって、皆さん“幸せ”だと思います!」
先日、ある歯科医院で、奥様が私に言われた言葉です。ここまで言い切る奥様、また、それを言わせる院長先生に敬服しました。サービス業の原点を見たように思います。周りの人を“幸せ”にすることが、生きている証のようにさえ感じました。
何のために仕事をするのか、お金、名誉ばかりでない本当に大切にしないといけないもの、「仕事に魂をこめる」、思い出させていただいた一瞬でした。