■ 自院の強い患者層
経営戦略を立てるとは、「誰に」「何を」「どうやって売るのか」を決めることだと言われるます。
「誰に」・・・年齢層 男女
「何を」・・・診療内容 診療メニュー
「どうやって売るのか」・・・集患方法 アプローチの方法等
患者さんから、歯科医院が選択される中で、この3つについては、時間をとりキチンと決めておいたほうがいいでしょう。
そして、決めるときに一番大切なのは、まず「誰」という対象を決めることから始めることです。ときどき、インプラントをしたいとか、訪問診療をしたいといった「何を」から経営戦略を立てたがる先生方がおられますが、まずは、ターゲットである「誰」を決めないと、戦略がぶれてしまうものです。
先日もある先生との会話で、こんなことがありました。
「もっと中高生の患者さんが来てくれると、うちも助かるのですが・・・」
どうも、他の年齢層の患者は、満遍なく来院しているのですが、中高生だけはあまり来ていないようなのです。だから「中高生が」となったのですが、そのとき、こちらから、こんな質問をしてみました。
「先生は、本当に、こころから中高生が来て欲しいと思っておられますか?」
すると、「そうでもないかも・・・」という先生の答えでした。つまり、「増えればいい」という希望(夢)と、「本当は診たくないんだよな」という現実がずれていたのです。
さらに、「じゃあ、逆にどんな患者層がもっと来ればいいと思いますか?」と聞くと、「自分で言うのも何ですが、デンチャー得意なんですよね。だから、入れ歯を入れるくらいの年齢の患者さんがもっと来てくれてたら、いいと思います。」でも、その歯科医院は、(多くの歯科医院がそうであるように)子供からお
年寄りまでの患者に対応できるように、絞込みができていない医院作りです。とにかく患者に来て欲しいばかりで、本当に先生が診たい患者層に向けた医院作りができていないのです。
先ほど、歯科医院が、患者から選択される時代と言いましたが、実は、もう、歯科医院が、患者を選択する時代に入ったのだと思います。医院の歴史を考えると、開業されてまもなくは、とにかくひとりでも多くの患者に来て欲しいと思い、様々な手法で患者を集めようとします。
しかし、開業、2~3年もすれば、地域のことや本当に自分がしたいことが明確になってくるはずです。また、医療技術の研鑽をつんでくれば、自身の強みも明確になるでしょう。そのとき、せっかく来てくれている少なからずの「診たくない患者」を、いかに排除するか、大きな決断をしないといけないのです。
ターゲットである患者層が決まれば、次に「何を」を決めます。先ほどの歯科医院では、得意なデンチャーだけでなく、インプラントも治療メニューに入れることにしました。ただ、インプラントはあまり実績がないので、手術は近くの先生にお願いすることとし、上部構造だけ自院ですることにしたのです。おそらく
、デンチャーにこだわっていたのでは、出なかった戦略でしょう。
つまり、「誰に」「何を」「どうやって」というこの順番は非常に重要で、「何を」から決めると、戦略が狭くなったり、ぶれてしまうのです。経営を考える中で非常に重要なのですが、意外とハッキリしていないものです。ぜひ、ゆっくり時間を取って考えてみませんか?
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>(*^_^*)b < 編集後記 ♪♪♪
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ところで、後期高齢者医療保険の名称は、どう決着したのでしょうか。実施日に、大臣が「長寿医療保険」なんて言い出すものですから、マスコミは確か「新しい医療保険」と言っていたように思います。年金問題にしてもそうですが、あわてると何をやってもダメな時ってあるんですよね。